2012年12月3日月曜日

東京新聞(中日新聞東京本社)特別報道部記者。 @tokyo_satokei

 @tokyo_satokei

東京新聞(中日新聞東京本社)特別報道部記者。
見開き2ページの特集コーナー「こちら特報部」に書いています。
三重総局、中部報道部、政治部などで政治・行政畑を取材してきました。
1968年神奈川県生まれ。http://twilog.org/tokyo_satokei

【大阪市のがれき試験焼却①】12月2日付の東京新聞特報面に大阪市の震災がれき試験焼却の記事を書きました。
見出しは「がれき焼却見切り発車 橋下大阪市長が衆院選で多忙の中 反対派『本格受け入れ 絶対阻止』」。

【大阪市のがれき試験焼却③】大阪市のがれき問題で特徴的なのは、市議会に反対・慎重論が多いことです。
推進派は、橋下市長率いる大阪維新の会だが、維新だけでは過半数に届かない。
公明は中立的ですが、維新と一緒に市長与党を形成、過半数を確保している。自民、共産、民主は反対・慎重です。

【大阪市のがれき試験焼却④】がれき受け入れ関連予算を盛り込んだ補正予算は維新、公明の賛成多数で可決、成立した。公明は反対市民向けに「安全性が確認されるまでは、試験焼却及び本格受け入れは行わない」との付帯決議を付けた。
自民などは、今回の試験焼却は、付帯決議に反すると批判的です。

【大阪市のがれき試験焼却⑤】橋下市長が衆院選で大忙しの中、がれきの試験焼却が断行されたことも特徴的。
11月16日に衆院が解散されると、会期を繰り上げて11月20日に閉会した。
記事では触れる余裕がなかったが、自民は、市の責任を明確化する条例案を提出したが、棚上げになった。

【大阪市のがれき試験焼却⑥】行政側が反対運動を力ずくでねじ伏せようとするのはどこも一緒ですね。
大阪市でも市民説明会会場で、建造物侵入などの疑いで4人が現行犯逮捕されている。
「ごみ焼却工場の近くに立っているだけで逮捕されかねない」との声も聞いた。

【大阪市のがれき試験焼却⑦】市民団体はルールを守って自制的に行動しているようですが、少しでも隙を見せれば、行政は一転突破で攻めてくる。
行政や一部マスコミは、がれきに反対している住民は「一部の過激派」との印象操作をしたがります。

【大阪市のがれき試験焼却⑧】そもそも、広域処理の必要性がなくなっている。
大阪市が受け入れを決定した6月の時点で、当初想定した401万トンから4割減の247万トンに激減。現在は、さらに減って136万トン。
これは、震災前の宮城、岩手両県の年間ごみ量よりも若干少ない程度です。

【大阪市のがれき試験焼却⑨】国は当初、岩手は通常の11年分、宮城は19年分の震災がれき全部を広域処理しなければならないかのような説明をしていた。
それが現在は1年分に満たない136万トン。
放射能の問題を持ち出すまでもなく、必要性、経済性の観点から広域処理が「失敗」なのは明らか。

【大阪市のがれき試験焼却⑩】大阪市のスケジュール通りに進めば、来年2月には本格焼却に入る。
2014年3月までに3万6千トンを処理する計画だ。
放射性物質の問題にとどまらず、アスベストなどの有害物質も検出されているようだが、市の対応は「焼却ありき」「安全ありき」に見える。

【大阪市のがれき試験焼却⑪】「被災地復興」「絆」の美名のもと、とにかく全国各地でがれきを燃やしたい人たちがいる。
復興予算の流用と同じだ。ダシに使われた被災地はいい迷惑ではないか。
愚策中の愚策である広域処理は、被災地と被災地以外で「対立構図」をつくっただけだ。

【大阪市のがれき試験焼却⑫】それにしても、自民党大阪市議団が、がれき受け入れに反対とは意外でした(失礼)。
維新と自民の対立が背景にあるのでしょうが、記事にも登場していただいた北野妙子・自民党市議の力が大きかったようです。
女性の力ですね。

【大阪市のがれき試験焼却⑬】私が、広域処理について取材を始めた今年1月ごろ、国・地方を問わず、批判的な立場で発言する議員はなかなかいなかった。
そんな中で出会ったのが奈須りえ大田区議でした。
そして今回の北野妙子大阪市議。311以降、あらゆる場面で女性の活躍が目立ちます。

【大阪市のがれき試験焼却⑭】夏ごろでしたか、当時の細野環境相が「広域処理に一定のめどがついた」と発言、受け入れ検討中のいくつかの自治体が「そんならやめます」みたいな事があった。
国は、広域処理の必要性が薄れたことを自白しているわけです。

【大阪市のがれき試験焼却⑮】記事では触れることができなかった事も諸々つぶやきました。
ついでにもう一点、遊園地まがいの舞洲ごみ焼却場。
環境重視の姿勢を世界にアピールしようと、オーストリアの著名な環境建築家にデザインを依頼したもの。
環境重視…皮肉な話です。=この項おわり

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